隣駅の映画館で鑑賞。
『怪物』は、第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、脚本を担当した坂元裕二が脚本賞を受賞した。「クィア・パルム賞」と合わせ2冠を獲得した。
子供同士のけんかの真相を、母親、教師、子供の視点から捉えた作品。
一方の意見だけでは真実はわからない。
母親の視点から映画が始まり、お母さん擁護の立場から観て行って
しまいますが、違う視点、教師、子供たちからの視線からみると
真実は違ってくる。
先入観、ちょっとした嘘、表現の仕方により真実は変わってしまいます。
前から思っていたことではありますが、事件があると報道では
被害者目線から報道されることが多く、加害者から見れば
本当のところは違い、被害者の言動が事件の発端だって
ありうるんだよね。マスコミの世論誘導は意図的にせよ
無意識にせよ怖いし、難しいところです。
怪物は誰か?と追及してしまいがちですがそれはナンセンスでしょう。
怪物は人間一人ひとりの中にある、偏見、正義、先入観、自己防衛等々に
あるのではないでしょうか。
いろんなことが後々いろいろなことにつながっていてもう一度見てみないと
見逃していることが多々あるような気がする。
最後に管弦楽器を吹くシーンがありますが、どこかの場面でその音が
流れていたなと思いましたがどこで流れていたかはちょっとはっきりしない。
なんとなくあそこかなというところはあるけど。
でもパンフレット観たら結構いろんな場面で流れていたかもしれないと
思い返した。
これは誰も触れていないけどお母さんが何度も学校に車で行く時があって
必ず駐車するシーンが描かれていますが、これは校長先生がお孫さんを
車で轢いてしまったことと関係があるようにも思う。
コロナ禍で全く映画を観に行っていませんでしたので
3年ぶり以上でしたがやっぱり映画館での鑑賞は良かった。
是枝監督の映画も言い方は失礼ですが予想以上に良かった。
もう一度観に行きたい気持ちもあります。
イオンシネマにて